真夜中の料理

9時前からごろごろしてたらそのまま寝ちゃってこんな時間に目が覚めてネットを徘徊してたらずどーんとメランコリックにまたいよちゃんのお出ましだ。今度はまつかずじゃない、おもにちるちゃんの仕業だ。
私は何の不具合も持たず五体満足この世に生まれ出で、実にたくさんの人からの暖かい眼差しの中で贅沢に育てられ健やかに成長し、愛したり愛されたりセックスさえ楽しんで、大いに自由を謳歌できるしあわせなおとなになった、はずなのに孤独でもうだめだよだれかたすけてよー、となぜすぐそうなるのかもうほんとにだめだよ孤独だよもういやだよー。
いやだめじゃないいやじゃないそんなんじゃない。
最近よく料理をしている動画を見る。どこぞの誰かが得意な料理を手際よくあるいは慣れない手つきでもたもたちんたら料理する、ただその料理の工程を録画した動画。これがなかなか癒される。渦巻く雑多な欲望を種に、心に萌ゆる様々なジレンマや苦悩が食欲という部分に一気に落としこまれていくことで癒されるのかどうかは知らないけれど、とにかく癒される。そしてこんな真夜中にふと豪勢な料理に挑戦したくなってきたりする。しないけど。なんでしないのか、した方がいい気がするんだけど。
若い頃はそういうことをたくさんやってた気がする。ほんとに真夜中に料理をはじめたり、遠くまで散歩に出かけてみたり、施錠されたプールに忍び込もうと必死になってみたり、「楽しそう!」→「やってみよう!」という過程の「→」の部分が羽毛より軽く、まさに軽々とそれをやってのけていたように思う。
そういう事をやらなくなったのはおそらく私がほんの少しおとなになったからじゃないかと思うんだけど(どこからともなくしのび笑いが聞こえそう)、まぁこれを言っちゃぁ興ざめだけどやはり子供がいるからそんな好き勝手できないしねーってのも実際問題あるわけだけど(どこからともなく爆笑が聞こえそう)、うん、まぁすぐ家出したりふらりと逃亡したりあれしたりする私なのであれかそうでもないか。
というわけで、真夜中にクッキング。たまにはいいんじゃないか、と思う。しないけど。