もぐら電車とサンタクロース

保育園からの帰り道、5歳の次男が「今度ピクニックに行こうよ」と言う。私が「どこがいいかなぁ、これからは暑いからねぇ」と言うと、先日保育園の遠足で行った大きな公園には水遊び場があるのでそこがいいと言う。ふむふむ、「どうやって行くんだっけ?バス?電車?」と私が聞くと、次男「ぼくたちはもぐら電車で行ったよー」。
もぐら電車。これはあきらかに「地下鉄」のことをさしているのに違いない。かわいいね。「へぇー、そっか〜、もぐら電車ねー。わかった、じゃぁ今度調べておくねー」と答えると、次男「もぐら電車はね、運転手さんがもぐらなんだよ。」「え。」
ちょっと待て。待て待て待って。地下鉄=地下を走っている電車、それを「もぐらみたいだから=もぐら電車って呼ぼうねー」ならわかる。じゃなくて、「運転手ももぐら」・・・? これはあきらかに保育士さんの演出というか入れ知恵というか創作ですよね。
さらに次男「速いからね、他のおともだちは見えなかったみたいだけど、ぼくは見えたよ、もぐらの運転手さん。もぐらの運転手さんは手もちゃんともぐらだよ。見たからね」。うん。わかる。わかるよ、私も小さい頃はそういう世界に住んでたからね。いや実は今も住んでるけど。でもさ・・・
この手のファンタジーを子供に与えるか与えないかというのは子育てをはじめるとどこの家でも一度は夫婦間で議論になるんじゃないだろうか。我が家ではなった。議論というか、どういう方針で行くかという話し合い。いちばんわかりやすいのは「クリスマスにおけるサンタクロース問題」だろうか。この問題は結構大きいよー。
例えば我が家の場合、夫婦間では「わざわざウソをついてまで信じ込ませる必要はないだろう」という意見でまとまっていたところに姑が「こどもには夢を与えなくっちゃね!」と猛烈な反対意見を表明。そんなのスルーすればいいじゃん、と思われるかもしれないけど、そう簡単に行かないのがこのファンタジー問題の難しいところで、夫婦の間では「サンタなんて(ぷっ」っということになっていても、保育園やご近所さんやじいちゃんばあちゃんらに「サンタさん何プレゼントしてくれるかなー、いい子にしてないとサンタさん来ないよー」なんて言われた子供が「サンタさん来るかなぁ?」なんて言い出したら「サンタなんていないんだよ、そんなの実はうそっぱちで、彼らは君をだましてるんだ」なんてそうそう言えないわけですよ。まぁそんなわけで我が家ではなしくずし的に「サンタはいてる」ことになった。
もぐら電車もこれと同じで、保育園の先生に「もぐら電車の運転手さんはもぐらなんだよ〜」と聞いてそれを信じてる子に「そんなわけないじゃん」と言えば、子供からしたら「保育園の先生はうそをついてた」となりかねないわけでしょう。しかもサンタならまだしも、もぐら運転手なんて長男が聞いたら速攻で「おまえばかか、んなわけねーだろ、もぐらがどうやって運転すんだよ、こどもだましもたいがいにしろよボケカス」とか言って、言われた次男は涙目で抵抗するも経験値不足で敢え無く敗戦というのは目に見えてるわけですよ。困る。ほんと困る。あとの対応のことも考えて欲しい。
もぐらの着ぐるみはハンズに売ってるだろうか。