親切とおせっかい

親切とおせっかいの境界はどこなのかな。すべからく受け手の問題となるのかな。
この町はばかみたいに自転車が多く、小さい子供の手をひいて歩く親としては毎日はらはらしどおしなくらい、歩道をばんばんびゅんびゅん自転車が走ってくる。どうやら歩行者族より自転車族の方が位は高いらしく、子供と手をつないで並んで歩いていると、後方から「通れねぇよ邪魔なんだよ!」と言わんばかりにジリンジリンベルを鳴らして突っ走ってきたりもするものだから、ぐいと子供を脇に寄せてさっと身を引かねばならぬ場面もちょくちょくである。圧倒的に自転車族の方が優勢なのだ。
そんな事情があって、私はよく保育園の帰り道、子供に自転車族の危険にさらされる歩道を歩かせるのが心配で、歩道の脇にある側溝のようなところをわざと歩かせたりしている。子供はきゃーきゃー喜んでそこを走るし、自転車と接触する危険がないので私も安心だ。
ところが昨日のこと、いつものように息子にそこを歩かせていると、バス停に座っていたおばあさんに「ちょっとちょっと、そこ歩かせてるとな、ほら、先におまわりさんおるやろ、あがれって言われるから、今のうちにあがらせといた方がいいよ」と言われた。「あら、そうですかぁ〜」と軽く流して去ろうと思ったら、おばあさん、自分の言葉が信用されてないと不快に思ったのか、眉をきっと吊り上げて「そうだよ!あがれって言われるから!はようあがんなさい!」と言う。え〜、親切で言ってくれたつもりなんだろうけど、そんな怒られても〜、とこちらもぐんと不快指数があがるが、「そうなんですか、ありがとうございます」とにこやかにお礼を言い(でもそのまま子供には側溝を歩かせ)足早に立ち去る。
先に進むとおばあさんが言っていたおまわりさんポイントが近づいてきて、何食わぬ顔で通り過ぎようとしたら、おばあさんの言う通り、おまわりさんは腰をかがめて子供の顔をのぞきこみ、やさしい笑顔で「そこな、むかでとか出るし危ないから、上(歩道)歩いた方がいいよー」と言う。むかでの心配より道路交通法違反者の取締りがあなた方の仕事じゃないんですか。「自転車が多くて歩道歩かせるのすごく怖いんですよ」と私が言うと、困ったように眉をへの字にして「そうですねぇ〜、けっこう多いですからねぇ〜」とおまわりさん。というわけでまたおまわりさんも無視してそのまま側溝を歩かせて帰ってきました。
おせっかいというのとは違うけど、それさー、親切に見せかけた親切ではない何かだよねー、とか思うわけですよ。まぁどうでもいいけど。
ちなみに、子供を自転車に乗せるときにちゃんとヘルメットをかぶせていらっしゃる方は最近ではけっこう見かけますが、確かに接触事故などの場合に頭部を守るのには有効なんでしょうが、ヘルメットをさせていたにもかかわらず私は長男にけっこうな怪我をさせてしまったことがありまして。
長男がまだ2歳くらいの頃、自転車の前方に取り付けるタイプの子供椅子に息子を乗せて車の通らない歩行者多めの道を走っていましたら、横を通り過ぎようとしていた大学生くらいの女の子が急に方向転換しようとして、私の自転車の横腹に体当たりしてくるような格好になりまして。倒れようとする自転車を支えようと足をふんばりハンドルをぐっと握り締めたものの、私の腕力では支えきれなかった長男付き自転車はあえなくズズズズズ…と地面へなだれこむ。椅子にシートベルトで固定されていた長男は放り出されることはなかったが、あーっ!っと両手を万歳の格好で逃れようとするも逃れられず長男はあごからズザザーとアスファルトにスライディング。イタタタタ…。長男のあごは骨が見えるくらいばっくり割れていました。
あれ以来、やはり自転車に子供を乗せるのは危険だ、乗せちゃいけないんだ、という大きな後悔と反省とともに私は一度も子供を自転車に乗せたことがない。というか怖い怖すぎる。とは言え身近でそんな事故を起こしたって話は一度も聞いたことがないので、よほど私の自転車スキルがひどかったってことだろうなぁとは思ってるんだけど、まぁ皆様もお気を付けください。
なんか何書いても最近つまんないな。やっぱりまつかずの指示通り「おひさまありがとう」的な日記を書くべきなのか。おひさま、ありがとう!